12月9日、障大連の対大阪市オールラウンド交渉が行われました。
障害者(児)の生活全般に関わる要望に対して大阪市からの回答があるのですが、
その内容について当事者と大阪市の担当職員が意見交換を行います。
いや、意見交換なんて生ぬるいもんじゃない。
あまりに無理解な…差別解消法や権利条約を完全に無視したかのような回答の真意を質すために、
当事者それぞれの思いをぶつけるわけですが、
市職員の回答には憤りしか感じません。
例えば、教育保育についてのテーマでのこと。
大阪市は「共に学び、共に育ち、共に生きる」というインクルーシブ教育を看板に掲げていて、
医療的ケアが必要な重度障害者も地域の小中学校で受け入れられ、
それはそれで本来は当たり前のことを実践してるわけだけど、
障害児に対して給食は支給してくれないから、
親御さんが作らなきゃいけないのです。
その理由は「ミキサーやフードプロセッサー等で二次的な調理加工をすることはできない」というもの。
合理的配慮の不提供という差別
これは差別解消法でいえば「合理的配慮の不提供」に当たるので、 公立学校が堂々と差別しているということになりますし、 行政機関は合理的配慮が義務なので法令違反にもなるのですが、 担当職員は「調理後に二次的な調理加工をしていたら、 その間に調理済みのものは衛生状態が悪くなって安全性に問題が生じ、 食中毒を引き起こす恐れが…」的な回答した後、 「学校は多くの生徒の安全を保障しなければいけない」という言葉が出てきたことにブチっとキレました。 そもそも学校は「多くの…」ではなく、 「すべての」生徒の安全を保障しなければいけないわけです。 この職員は発言を撤回修正することもなく、 そのまま「できません」で最後まで貫きました。 ま、これは揚げ足取りにも聞こえるかもしれませんが、要するに、 「限られた時間の中でフードプロセッサーやブレンダー等でピューレ状またはペースト状に加工することは困難である」という言い分なので、 合理的配慮の欠片もないんです。 時間的に困難だから、ミキサー食には対応できないという問題ではないんです。 それ以前に行政が差別的な扱いをしてるという認識の有無が問題なんです。 ピューレ状にすることがそんなに過重な負担なのでしょうか? インクルーシブ教育を謳いながら、 結局は何かしら理由付けして障害児を排除してることになるんですよね。 学校では平等に支給される給食が障害児には提供されない。 そのため、親御さんが作らざるを得ない。 この状況のどこが平等で、どこがインクルーシブなのか? 打開するための知恵も工夫もすることなく、親御さんに丸投げ。 大阪市内のどこの学校も給食対応していないというわけでは決してないんです。 いくつかの学校では受け入れし、給食も支給されてます。 でも、教育委員会はそれらの学校の対応が「おかしい」と言わんばかりに、 教育委員会の考えとしてはあくまで、 「調理加工してまで支給しない」 「それだけの手間はかけられない」 というスタンスです。 給食対応してる学校が間違いだというなら、 それはそれで是正しなきゃ辻褄が合わないのにね。 議論は平行線をたどりながらタイムアップとなりました。 「過重な負担」をめぐる認識のギャップも埋まらず。 市職員でさえ、まだまだ周知が足りないということかもしれません。 他にも納得いかないことだらけの対市交渉でした。未分類 | 2016年12月12日